8月頭に、大学時代の同期生の有志数人にて、ピアノの弾き合い会が行われました。
京都にある新しいサロンで、ピアノも部屋もピカピカでとても気持ちが良く、素敵な空間でした。
大学を卒業して十ウン年。いまだにピアノという共通点で繋がれる仲間がいるというのは、本当にありがたい話です。
コロナによる規制もほぼなくなり、弾き合い会の後には飲みにも行きました。
そこでいろんな話をするなかで、ピアノという共通点はあるものの、ピアノに向かう姿勢・意識は本当に人それぞれだなぁと実感しました。
そもそも共通点だらけだった私たち
今回集まったのは、8名。大学時代の同期生の私たち。
浪人している人はいないので、全員が同い年。
全員女性で、大学の科が音楽教育の専攻だったため全員ピアノをやっている状態で入学。
細かく言うとそれぞれ専門はあるものの、同じ学校で4年間を過ごし、同じような試験を受けて単位を取り、同じ年に卒業しました。
このように、そもそもは共通点だらけだった私たちです。
卒業から数ウン年。
その後のそれぞれの人生、生活、キャリア。本当に万別です。
今回の弾き合い会も、
- ガッツリソロ曲を弾く人
- 連弾だけ弾く人
- リコーダーのアンサンブルに参加する人
- ソロも弾いて、連弾もして、アンサンブルもする人
- 演奏には参加せずに見学だけの人
- 時間の合間を縫って参加して、自分の出番が終わり次第帰宅する人
参加の仕方は人それぞれで、それがこの集まりの良いところです。
「ピアノ」という共通点はあるものの、ピアノに対する姿勢や向き合い方が、本当に多種多様だと気づきました。
それぞれの「生活のなかのピアノ」
話をする中で、ピアノとの付き合い方はそれぞれだなぁと感じたこと。
- 大学時代と変わらずに、途切れることなくレッスンに通い、現在も仕事とピアノを両立している人
- 社会人になってしばらくピアノから離れていたが、転職を機にレッスンを再開した人
- 音楽を仕事にしている人。仕事と両立して、自分のレッスンもマイペースに続け、コンクールにも挑戦している
- 仕事が忙しく、自身は完全にピアノから離れている人。ピアノ演奏を聴くのは好きなので、今回のような集まりには必ず見学で参加する
- 結婚して夫がいるが、仕事・家事・ピアノを両立している人
- 結婚・出産して夫・子がいるが、しっかりと育児もしたうえで、ピアノや他の趣味もしっかり優先して続けている人
- 結婚・出産して夫・子がおり、生活は家庭優先の人。弾き合い会は、夫が休みで預けられそうなら参加する
どの人がすごいとか、子どもがいるのにピアノ続けて偉いとか、仕事と両立して偉いとか、コンクールで賞を取ったら偉いとか、そういうものじゃない。
人それぞれに人生があって、特に女性はライフステージによって生活環境が大きく変わらざるを得ないことが多い。
数年経ったら環境がまた変わったり、と変動もある。
その時その時で、ピアノを自分の生活のどの位置に置くか?
「ピアノが趣味です」と言ってもそれぞれなんだと、実感しました。
生活の中で何を優先するか?
食事をしながら話をする中で印象的だったことがあります。
子育てをしながらピアノ活動もとても精力的に続けている子が(上のピアノとの付き合い方リストの6)、
夫次第で自分の趣味や生活を左右される(同リストの7)なんて、考えられないと。
補足ですが、夫に自分の人生左右されるなんて! と批判しているわけではなく、生き方の話の中で彼女の一意見として出ただけです。
ここからは私の意見ですが、生活の中で「何を優先するのか」は人それぞれ。
何を優先するのかではなく、その優先順位が、
- 自分の希望でそうなっているのか?
- そうせざるを得ない状況だからしかたなくそうしているのか?
- 努力次第でその優先順位は変えられるのか?
という点には注目したい。
本当はピアノより他のことを優先したくはないけれど「今は仕方ない!」と割り切ることが必要な時期もあると思う。
リスト7の彼女は、この日長く子を預けられないため、弾き合い会も途中で抜けて、その後の食事も不参加でした。
もしかしたら、彼女にとっては、夫や子を優先することが全く苦ではなく、それが喜びなのかもしれない。
もしくは、食事にも行きたかったけれど、子が大きくなるまでは仕方ないと割り切っているのかもしれない。
あるいは、友人と時間を過ごすよりも単純に家族といたい、という希望なのかも?
どちらにしろ、現状、ピアノより家庭が優先である、というだけの話。
子がもっと大きくなってきたら、ピアノと関わる時間ももっと増えるかもしれないし、また別の趣味ができてピアノよりもそっちが優先になるかもしれない。
子を持たない私からすると、夫がいて子がいて、こういった集まりの際に周りと段取りをして子を預かってもらうようにして、
と大変そうだなぁ、よくやっているなぁすごいなぁと純粋に思います。
仕事をしながらずっと途切れずにレッスンを続けている子には、その継続力に本当に尊敬しかない。
一番つらいのは、「自分の理想と現実の環境が違い過ぎて、優先順位をどうにもできない」時かなぁと。
- ピアノの仲間と出かけたいけれど、夫の協力が得られず子を預けられない。
- ピアノの練習時間をつくりたいけれど、夫が家事に非協力的で仕事と家事とを両立できない。
- 普段の仕事が激務で、休日はピアノの練習をしたいけれど、体力回復のために休まないと身体がもたない
とか。
世の中でピアノや楽器を続けている人は、それぞれがいろんな環境にいる中で、上手く周りと折り合いをつけて段取りをつけて、時間をつくっているんだなぁ。
私は上記の2のレッスン再開組ですが、今はある程度仕事とピアノの練習時間を、うまく両立できている状況です。
しかし、何か仕事での業務量の変化や、家族の健康面で介護が必要になったりして、
ガラッとピアノより優先しなければいけないことができるかもしれない。
特に最近は親の介護がチラチラと見え始めて、そこもきっと大きな環境の変化になりそう。今は全く問題なく元気でいてくれていますけどね。
正解はない
とりとめがなくなってきてしまいましたが、当然ながらピアノと過ごす生活に、これが正しい、これは間違っているということはありません。
少なくとも、他の誰かが「こうあるべき!」と口を出せることじゃない。
一方で、
「自分はコンクールに出るんだ!」とか「この難曲を仕上げる!」といった目標を立てたのであれば、
その達成のために、これだけの練習時間を確保して、レッスンに通って、といった努力は必要になります。
私も年末の発表会に向けて、私にとっては大曲を練習中です。
そのため、週に何回、何時間練習しよう、という目標は持って取り組んでいこうと思っています。
しかし、その目標はあくまでも自分個人がたてたもの。私の問題。
難しい曲を弾かないとダメ! レッスンに通っていないあの子はダメ! なんて発想にはなりません(当たり前)。
数年後、年を重ねてもし環境が変わっていたら、私の優先順位ももしかしたら変わってるかも?
そうなっても細くても長く、ピアノは続けていきたい。
私は「ピアノを生涯の趣味にする」ということが目標です。
そしてピアノで集まれる仲間がいることはとても貴重で、大切にしていきたいと思っています。
今回は、大学時代の友人と集まって話をするなかで考えたことを書きました。
そして、きっとこれからもずーっと考え続けるんだなぁと思います。
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