【2022年4月】ピアノ活動振り返り【シューベルト即興曲1番仕上げ】

Piano
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去年の年末から取り組んでいた、シューベルト作曲の「即興曲ハ短調 Op90の1」

4月のレッスンでマルをもらいました。

ずっと弾いていきたい大切な曲が増えました。

4月は合計24時間

4月は、12日間で24時間練習をして、レッスンへは2度行きました。

最終の仕上げの作業に入っている「即興曲」と、新しく譜読みを始めている「英雄ポロネーズ」を同時進行で練習していた一週間は、

すごく充実しているんだけど、体力的にも気持ちの上でもものすごくハードで疲れました。

昔は何曲も同時に練習していたのになぁと、またもやひしひしとブランクを感じつつ、

仕事が忙しくなった時期とも重なって、まさにひーひー言いながら練習をしていました。

別に誰に強制されているわけでもないので、自分で勝手にやろうと決めて勝手にやっているんですけどね。

練習のバランスと、今日この瞬間の良い演奏

ただ曲を通して弾くばかりの練習を繰り返すのではなく、

これまで続けてきた、ペダルなしの練習、抜き出し練習は最後まで続けました。

しかし部分練習だけを続けていると、全体を通した時に、なんだかぶつ切りになってしまっているような印象のときもあって、

バランスが大事だと実感しました。

バランスといえば、曲を弾いているとき、

熱く没頭して弾いている自分と、冷静な自分を両方しっかりと存在させることにも気を付けました。

練習を続けて、曲が好きになってくればくるほど、

こう弾きたい、ここのこのフレーズが好き!といった曲への思いがどんどん出てきて、

ついつい熱く感情的に高いテンションのまま弾いていることがありました。

曲への気持ちを音楽に乗せるのは良いこととして、

弾き終わった後、「あーなんか気持ち良かった!上手く弾けた」だけでは進歩しません。

どんな音が出ているか、感情的になりすぎてくどくなっていないか、ミスしているところを直すには?

という、自分の演奏を冷静に俯瞰的に見ている自分を置くことを心がけています。これもバランスが大事。

ミスタッチについては、間違えたところを、その都度コツコツと抜き出し練習をすることを続けていると、

確かにミスタッチをする頻度を減らせている実感が出てきました。

かと言ってミスタッチすることを気にしすぎるわけではなく、通しで弾く時には、曲の流れや気持ちを優先して弾く。

これもバランスですね。

だいたいその日の練習の1回目の通しの演奏は、ミスがポロポロ出てきます。

そして練習中に少しだけ直せて、その日の最後の通しでは、なかなか渾身の演奏!となります。

そのサイクルを続けているうちに、その日の1回目の演奏の精度が、日に日に高まっていることも実感できてきました。

その日の最高の演奏を目指して、その日の練習をコツコツとがんばる。

すると曲の全体の出来が上がってくる。

なんだか、曲の上辺だけをなぞっているのではなく、「足場をしっかり固める」ための練習ができている感じがしていました。

稲垣えみ子さんの書かれた本、「老後とピアノ」の中で

今日、今、この瞬間、良い演奏

「老後とピアノ」稲垣えみ子/㈱ポプラ社

という表現がされていて、読んだときとても心に残った言葉でした。

こんな演奏を目指して、ちょっと良い演奏ができたかもと思えば喜んで。

練習していて、ピアノって楽しいなぁとしみじみ思える日がいっぱいあって、幸せなことだと思います。

「即興曲」仕上げの日のレッスン

仕上げ、なんて何度も偉そうに書いていますが、実は仕上がったという実感があまりなくて。

これまで一生懸命練習をして、曲にマルはもらえたので、ものすごい達成感はあるのですが、

実はこの日のレッスンでの演奏は、自分の中ではとても残念なものになってしまいました。

練習では上手くいっていても、いざ先生の前で弾く時に押し寄せる理想との差。

「あんなにミスタッチを減らすためにコツコツと抜き出し練習をしたのに……」

と自分自身にガッカリしてしまうほど、ミスタッチが多かった。

そして、曲の途中からは感情に任せて弾きすぎて、気持ちの勢いに指が追いつかないところがあった。

あんなに冷静な自分を置いておくようにと気を付けていたのに。

また、その日のレッスンは、普段通っているスタジオとは違う会場で、いつもとは違うグランドピアノでした。

何度か弾いたことはあるので、慣れないピアノであっても大丈夫でしょと思っていたら、

ピアノってこんなに個性ある!? とびっくりしてしまうような鍵盤と、ペダル。

普段アップライトのピアノで練習している私にとっては、グランドピアノの音の広がりが良くて、その部分ではとても気持ち良く弾けましたが、

慣れないピアノにすぐに対応できない不器用さと、緊張の中での演奏になりました。

たくさんたくさん悔いは残りましたが、でも、それを上回るくらい、大きな達成感がありました。

この曲から得たもの

知らない曲を、イチから少しずつ知っていく楽しみ

この曲を練習するまで、ピアノ曲に詳しくない私は、この曲を知りませんでした。

同じシューベルトの即興曲では、有名な2番だけ昔に弾いたことあって、

じゃあせっかく楽譜があるし、先頭の1番をやってみるか、という適当なノリのような理由で選曲しました。

譜読みを進めて、いろんなピアニストの演奏を聞いて、だんだんと大好きな曲になりました。

まったく知らない曲を練習するのは久しぶりで、良い経験になりました。

自分で考えた物語で曲を深めて表現するという経験

この曲の各場面に、自分で自由にストーリーをつけてみるという宿題を出してもらいました。

自分で勝手に考えたストーリーではありますが、そうすることで、

このフレーズ、この和音、この音という、それぞれの曲の部分をを自分の中で深めることができ、

より曲全体への理解が深まったと思います。

そして、その作業ののち、曲を演奏してそのストーリーを表現する。

私の中ですごいチャレンジで、良い経験でした。

今の世の中の情勢と、今の私の年齢でこの曲に出会えた喜び

先に書いた、曲に物語をつけてみる、という宿題をもらったその日に、世界では戦争が始まりました。

流れてくるニュースでそのことが頭から離れなくて、私はこの曲に、戦争をテーマにしたストーリーをつけました。

ピアノにきちんと向き合おうかと再出発したこの年齢で、この世界情勢になって、この即興曲のストーリーをつくることになったのは、

なんだか私にとって、深いつながりがあるように勝手に感じています。

この先、何年、何十年と経って、私の状況や世界情勢が変わっていたら、また全く違うイメージをこの曲に持つかもしれない。

その日が来るまでピアノを続けていたいなと思うし、

ものすごく平和でハッピーなストーリーが連想してしまえるような世の中になっていたら良いなと思います。

「素敵なレパートリーが増えたね」

このレッスンで、先生からもらった言葉です。

ピアノのレッスンを再開するようになって、「褒める」ということの効果をひしひしと感じています。

この年齢になると、生活していて褒められることなんてほぼありません。

でもピアノの練習をがんばって、がんばったことを褒めてもらえることで、自己肯定感が上がるし、

さらにピアノがんばろうという気持ちになれます。

私が習っている先生は、どんな小さなことでも褒めてくれる人だし、

決して先生に褒められたくてピアノを弾いているわけではないですが、

ピアノを続けていく上での大きな栄養分というか、そういうものには確実になっています。とても嬉しい。

その日のレッスンでは、ピアノや音楽との向き合い方や、この即興曲について、先生とじっくりといろんな話をして、

きっとこの先忘れられないかもなぁと思える日になりました。

そしてこのシューベルトの「即興曲 ハ短調Op90の1」は、一生弾いていきたい、大切な曲になりました。

英雄ポロネーズに活かしたい

「即興曲」を通して得た経験を、新しく取り組んでいる「英雄ポロネーズ」へ活かしていきたいです。

今は日々の練習が「英雄ポロネーズ」一本に集中することになって、頭の中がとてもクリアになって、楽しく練習ができています。

憧れの曲の力は大きいです。

「即興曲」は全く知らないところからの譜読みでしたが、

「英雄ポロネーズ」は、いちいち「わぁー! 私いまこの部分弾いてる!」と感激しながら練習しています。

「英雄ポロネーズ」の練習は長丁場になるので、息切れしないように、またコツコツと、確実な練習を積み重ねていきたいと思っています。

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