大人になってピアノを趣味にするということ
本屋の楽譜コーナーへ行くと、「大人のピアノレッスン」とか「大人向けのイチから始めるピアノ入門」とか「初心者のためのピアノ曲集」等の本がたくさんあり、大人向けのピアノ楽譜集が本棚のひと枠を占めています。
大人になって、ピアノを弾くということに魅力を感じて、趣味にしている人、始めたいと思っている人が多いことがわかります。
インターネットでピアノ教室を検索してみても、大人向けのコースが充実しています。
全く初めての人向けや、昔習っていたけどブランクがある人向け、また個人レッスンコースや他の生徒さんとセッションができるコースなど、その人その人に合わせたレベル・レッスン形態で通えるように工夫されています。
音楽「鑑賞」ではなく、ピアノ「演奏」?
そもそも音楽が好きだったら、音楽を聴く、ピアノ曲を聞く、ということも立派な趣味になります。
CDを聞き比べたり、ピアニストのコンサートに行ったり、今ではYouTube等でもいろんな人の演奏を耳にできます。
そこから一歩踏み込んで、「自分でピアノを弾きたい」と思う魅力はなんでしょうか。
- あこがれのあの曲を自分で弾けるようになる
- 練習を重ねて曲が弾けるようになるという達成感を味わえる
- 知らなかった曲や作曲家のことを知ることができる。音楽の知識が増え、深まる。
- 年齢に関係なく、何歳からでも始められ、何歳まででも続けられる
こうして見ると、ピアノを弾くということは生涯に渡っての趣味にできるし、曲が弾けるようになった達成感というのは日々の生活に良い刺激になりそうです。
趣味はピアノです、と胸を張れないコンプレックス
ここからは私の話をします。私は4歳から大学卒業まで音楽教室に通っていました。
その後就職するとなかなか練習の時間が取れなくなり、レッスンにも行きづらくなり、2週間に一度だったのが1カ月に一度、2カ月に一度とどんどん減っていって、フェードアウトしてしまいました。
ここ5年ほどは、全くピアノには触れていません。
いわゆる「ブランクがある人」です。
20年近くピアノを習っていたわけですから、いつでも始めればいいじゃんってなもんですが、つい最近まで、ピアノを「趣味にする」という発想がありませんでした。
正直、そこまでピアノが大好き!と言うわけではなかったからです。
親に強制されていたから、とか、ピアノの先生が厳しかった、では全くありません。
幼いころからレッスンの月謝を払い続けてくれた親には感謝してもしきれませんし、社会人になってもしばらくレッスンに通い続けていたのは、先生に会いたいからでした。
というか最後の方は、練習を全くしていないものですから、先生とおしゃべりがしたいから通っていたようなものでした。
ピアノが心から好きじゃなかったからこそ、社会人になってピアノから離れる生活になっても、全く寂しいと思うこともありませんでした。
長く続けてきたのにそんなものか、と自分にがっかりもしました。
それは私の中でのピアノが弾ける人の理想と現実がかけ離れていたからです。
20年もピアノやってたらこうなってるでしょ、という理想
理想その1 「何か弾いて」と言われたら、スラスラと何曲か披露できる
無理です。今現在練習している曲しか弾けません。
過去に先生からマルをもらって仕上げた曲も、終わったらもう興味がなくなるのでその後二度と弾くことはありません。「今日はちょっと以前やったこの曲弾いてみよう」とかやったことありません。
過去暗譜して仕上げた曲でも、その曲を弾かなくなった時点で速攻で忘れます。
いきなりその場で何か弾いてと言われても、何も、弾けません。
理想その2 有名な曲、CM曲などを耳コピして弾ける
無理です。そんな技術は全くありません。
メロディーは何となく拾えても、和音を聞き取る技術も知識も身につきませんでした。
日々ただ目の前にある楽譜をなぞって弾いているだけなので、そもそも基本的に音楽的なセンスがないのです。
理想その3 楽譜を見ればどんな曲でもパッとすぐに弾ける
今は完全に無理です。
現役当時は、難しくなければ多少できることもありましたが、練習の頻度が落ちるにつれ、読譜力は急降下。ガタ落ちです。
今「これ弾いてみて」と楽譜を目の前に出されても、お手上げです。
理想その4 クラシック音楽、ピアノ曲、作曲家にとても詳しい
全く詳しくないです。聞いたことのある作曲家の名前の数が、ピアノやってない人に比べてちょっとだけ多いかなーという程度です。
練習している曲や作曲家のことについて、興味を持ったり、調べたりすることがありませんでした。インターネットも今ほど普及していませんでしたしね。
そもそもクラシック音楽自体にそれほど興味がありませんでした。
なので弾けるようになった曲もすぐに忘れます。曲名もほぼ思い出せません。
そして現実
そんな感じで、私がやっていたのは、ただ先生が「じゃあこの曲をやりましょう」と言った曲を、ただ練習してマルをもらう、ということ。
20年近くもピアノを弾いてきて、それなりに特技ではあったけど趣味ではありませんでした。
そして今現在、弾ける曲なんて一曲もないし、もはや特技でもなくなってしまいました。
改めて今、ピアノが好きになりたい
長く続けられる趣味を持ちたいなと考えた時、大人になった今、ピアノをちゃんと趣味にしてみたい、と思い立ったのです。
ピアノを趣味にしている人、ピアノ演奏を楽しんでいる人に強く憧れています。
- もう一度コツコツピアノを練習して、好きな曲を弾く楽しみを感じ、曲が弾けるようになるという達成感を味わいたい
- 現役当時には放棄していた、曲への理解、作曲者などへの知識を深めたい
- 弾けるようになった曲を定着させて、「自分のレパートリー」を増やしていきたい
- 老後まで続けられる趣味にしたい
- ピアノのことをもっと好きになりたい
この今の気持ちを残しておこうと、ブログに書きました。
今後練習を進めていく中で、曲の理解、進捗、レッスンの感想をブログに書いていこうと思っています。
現役当時から倍近くの年齢になった今、たぶん当時ほど指が動くようになるのは難しいかもしれないし、仕事だって辞めていないから練習に充てられる時間も多くないので、きっと進みはものすごくスローペース。
でも、細く、長く、続けていきたいです。
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