【ピアノ】2023年はブラームスで始まる【嬉しかった言葉】

Piano
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2022年の年末、とても得るものが多く、良い経験になった発表会が終わり、

今年も新たな気持ちでピアノを継続していきます。

一つの曲を突き詰め続けた去年の後半とは全く違って、

イチから曲と出会って少しずつ掘り下げていく、新しいピアノ生活です。

知らなかった曲と少しずつ距離を縮めていく第一歩を、備忘録として書いてみます。

(ほぼ)初めましてのブラームス

そういえばブラームスの曲ほとんど知らない

ブラームス(画像はWikipediaより)

今年は、ブラームスのピアノ曲に挑戦することにしました。

年末にショパンの『英雄ポロネーズ』を発表会で弾いて、少しばかり燃え尽き症候群になっていました。

毎日毎日ピアノを弾き込んでいた生活からはちょっとだけ離れて、小休憩。

年が明けて、さぁそろそろピアノ弾かなきゃなー、今年は誰の曲にしようかなー、

と考え始めました。

基本的に、私の弾きたい曲をレッスンに持って行って、先生に指導してもらっています。

去年は、

「有名な作曲家だけどピアノ曲ほとんど知らないなシリーズ」

と勝手に題して、シューベルトの即興曲に挑戦しました。

今年も同じように、知らなかった曲に出会ってみたい。

さて誰にしようか?

ピアノ部屋の本棚に並ぶ楽譜の背表紙を眺めていると、目に入ってきたのが、

『ブラームス ハンガリー舞曲集』

おぉ、ブラームス。学生の頃、ピアノの発表会で友人と1番と5番を連弾しました。

(懐かしい……練習めちゃくちゃ楽しかったなぁ。

あれ、そう言えば、ブラームスのピアノ曲をソロで弾いたことないな?

ハンガリー舞曲以外にどんな曲があるのかも知らない。

よし!今年はブラームスで行こう!!

と早々に決まりました。

決めた直後、定期購読している月刊ピアノの記事にて、

2023年はブラームス生誕190年ということを知りました。

これはもう運命。今年はブラームスに出会う年だったんだわ!

とますますやる気が出てきました。

ワルツ 第15番 作品39-15

うちにはブラームスのピアノソロの楽譜がなく、どんな曲を弾こうか? どの楽譜を買えばいいのか?

ネットやYouTubeで「ブラームス ピアノ 有名」で検索してみました。

すると、まず出てきたのが、『ワルツ 第15番』

聞いてみるとこの曲知ってるー! ブラームスだったのか!

ハンガリー舞曲とはまた全然違う印象。綺麗。こんな曲もあるんだ。

難易度もそこまで高くなさそうだし、

年末年始のサボりからのリハビリ感覚でこの曲を弾きたい!

そしてこの曲が載っている楽譜を買いに楽器店へ行きました。

ワルツ以外知らない……

ブラームスのピアノ曲集の楽譜をゲット。

ワルツの譜読みは楽しいものでした。

知っている曲だったし、和音もメロディーもとっても綺麗で心地よく、

片面1ページという程良い短さも良かったです。

なんとなくワルツが形になってきたころ、さて次はどの曲の譜読みを始めようかな? と、

楽譜に載っている他の曲の冒頭を、何となく右手だけさらっと弾いてみました。

ん? 「ああこの曲!知ってる!」とピンとくる曲が全くない。

いや、右手だけだったからそう聞こえなかったのか? もしくは冒頭じゃないところに有名なフレーズがある曲がある??

そう思って、楽譜に載っている曲をYouTubeで片っ端から聞きました。

見事に全部知らない。

なんて……なんて自分の知識は浅いんだ。

通ってきた曲以外を全く知らない。昔はピアノ曲自体にそこまで興味がなかったから当たり前か。

軽くショックを受けつつ、楽譜の冒頭の曲解説のページを読んでいると、

『6つの小品 作品118 第3番』

の説明のところに、「前曲の第2番と並んでとても有名な曲」と書かれていました。

有名なのか! 

曲を聴いても全く初めましてでしたが、ブラームスを勉強するならきっと知っておかねばなるまい。

1月のレッスンで、『6つの小品 作品118』をやってみたいと先生に相談し、

第1番、2番、3番を順に譜読みしていくことになりました。

譜読み難しすぎ問題

まずは『6つの小品 作品118』の第1番から。

ほぼ1年ぶりの、全く知らない曲をイチから譜読みするという作業が始まりました。

が、まっっっったく弾けない!!!!!!

譜読みの力が落ちているから? あるいはブラームスの曲に慣れていないから?

見開き1ページという、長くはない作品ですが、片手ずつ弾くだけでもめちゃくちゃ時間がかかる。

特に左手のアルペジオ風のフレーズが非常に難しい。

私の経験にはない音使いというか、フレーズ感というか。

全然身体に入ってこない。

1曲通すだけで恐ろしいほど時間がかかります。

本当は第2番、3番と次々と進めていきたいのに、第1番の輪郭すら見えない。 

あまりに難しすぎて、(この曲はもう永遠に弾けないのではなかろうか)な日々が続きました。

そこでふと、去年のシューベルトの即興曲を弾き始めたころのブログを読み返してみると、

全く同じことが書いてありました(笑)

1月のピアノ活動振り返り
新しい年、新しい曲 年が明けて、2022年はコツコツとピアノと向き合おうと、気持ちを新たにしました。 去年の年末に発表会があり、ずっと練習していた曲が終わったので、キリ良く新年からガッツリと新しい曲に打ち込むことになりました。 1月は合計2...

ああ、去年も同じだったんだなぁ。

今やシューベルトの即興曲第1番は大好きな曲。今でも忘れないように時々弾いています。

コツコツがんばれば、きっとこの曲を弾くことが喜びで大好きな曲になっていくんだ。

去年の自分から励まされたような気持ちでした。

そして2月末現在、譜読みを始めた頃のような、真っ暗闇を進むような状態からは少し進んでいて、

小さな光が一瞬見えかけてきたかな?という状態です。

しかしブラームスさんはまだまだ遠い遠い存在。

今は、新たに第2番の譜読みを開始しており、こちらももちろんヨチヨチ状態。2曲同時進行で少しずつ距離を縮めていっているところです。

ブラームスという人について調べてみた

シューマンとブラームス

シューマン(画像はWikipediaより)

私が作曲家について調べるとき、主に参考にするのが、

『クラシック作曲家列伝 バッハからラヴェルまで 12人の天才たちの愉快な素顔』やまみちゆか著

です。

この本に出会って、遠い遠い存在の有名作曲家たちのいろんなエピソードを知って、

あぁこの人たちも普通に生活する人間だったんだと思うようになりました(ぶっ飛んでいる人もいますが)。

去年挑戦したシューベルトは、残念ながら取り上げられていないのですが、

発表会で弾いたショパン、そして今回のブラームスを知るのにとても勉強になりました。

元々私がブラームスについて知っていた知識は、

「シューマンと親しくて、その妻のクララと生涯プラトニックな関係を貫いた献身的な人」

ということくらいでした。

自分を見出し、表舞台に立たせてくれたシューマンは、ブラームスにとって救世主でした。そのシューマンが死んでからも、ブラームスはたびたび彼の家を訪ね、演奏の仕事で忙しいクララに代わり、7人の子どもたちの相手をしました。

クララと子どもたちにとって、ブラームスの存在は、かけがえのないものになっていきます。

『クラシック作曲家列伝』94ページより引用

またまた自分の知識のなさを痛感するわけですが、

ブラームスはシューマンの後押しによって、音楽会で有名になっていったんですね。

だからシューマンはブラームスにとって恩人だったんだと。それほど大きな恩だったんだなぁ。

と思うと同時に、

シューマンが亡くなってからも、家族を気にかけて一緒に旅行へ出かけたり、家を訪ねて子どもたちの世話をするというのは、

非常に義理堅くて情の深い人だったんだなと感じます。

クララ(画像はWikipediaより)

ベートーヴェンとブラームス

ベートーヴェン(画像はWikipediaより)

今年ブラームスに挑戦したいと決めるより前、去年のうちに、

次の発表会ではベートーヴェンのピアノソナタを弾こうと決めました。

年明けのレッスンでそのことを先生に相談した時、

だったらブラームスを今勉強するのはとても良い、この2人は同じ流れだから。

ということを言われました。

私は(ベートーヴェンとブラームスが繋がってる? 3大Bとか言われてるってことだけじゃなくて??)

と理解することができませんでした。

その疑問もこの本を読んで納得しました。

ブラームスはベートーヴェンを深く敬愛しており、自分が交響曲を書く時は彼の交響曲を正しく受け継いだものを作らなければいけないと慎重になっていました。そのため、この《交響曲第1番》は構想から20年以上も費やされることになりました。

当時の反響は様々でしたが、指揮者のハンス・フォン・ビューロ―はブラームスの《交響曲第1番》を「ベートーヴェンの《交響曲第10番》」と評価しました。

『クラシック作曲家列伝』105ページより引用

この文章を読んだとき、つい笑ってしまいました。

ベートーヴェンをリスペクトしすぎて、曲をつくるのに20年かかったり、

リスペクトが過ぎて、完成した交響曲が「ベートーヴェンの《交響曲第10番》」と言われるなんて!

なんだか、ここにもブラームスの真面目さ真剣に一途にその人を思う性格が表れているように思います。

『6つの小品 作品118』について

さて、今回取り組んでいる曲について。

この曲が作曲されたのは1893年、ブラームスが60歳の頃のようです。晩年ですね。

ブラームスは1896年に63歳で亡くなっており、この作品118は、彼の最後から2番目の曲だそうです。

キュンと来たのが、この曲がクララに献呈されたというところ。

こんな晩年の曲まで献呈しているなんて! 本当に生涯関わりがあって、クララをずっと思っていたんだなぁ……!

さらに『クラシック作曲家列伝』にはこのような記述もありました。

こうしてブラームスは作曲家としての地位を確立していったのです。

ブラームスは4つの交響曲を生み出しましたが、最終的にはベートーヴェンの模倣の域を抜け出し、彼独自のロマン派的作品として人々に受け入れられることになります。

『クラシック作曲家列伝』105ページより引用

何かを習得するにはまず模倣から始まる、ということを再確認させてもらったよう。

こんな大作曲家でも、最初は真似から始まったなんて、一気に存在が身近に感じられます。

そしていろんな作品を作り上げていく中で、独自の色をどんどん出していって、「ブラームス」という確固たるスタイルをつくりあげていったんだなぁ。

この『6つの小品 作品118』は晩年の曲なので、おそらくベートーヴェンの影響はすっかり抜けている頃?

でもブラームスの音楽の根幹にはベートーヴェンの存在はきっとずっと大きかっただろうな。

この曲を勉強した後、ベートーヴェンのピアノ曲を弾いて何かを感じられたら素敵だなと思っています。

おわりに

ブラームスのピアノ曲初体験にあたって、ブラームスについて、そして『6つの小品 作品118』について、

今現在感じていること、知っていることをまとめてみました。

私にとって、『ハンガリー舞曲』と『ワルツ第15番』だけの知識から始まったブラームス。

現時点ではまだまだとても遠い存在です。

日々の練習の中で、少しずつ何かを感じて、勉強して知識を増やして、

ブラームスと作品を好きになっていけたらいいな

一生忘れられない喜び

忘れられない思い出を書き残しておこうと思います。

年が明けて、一回目のレッスンの日。

私の後のレッスンに来ている生徒さんは、まだ幼稚園生で、いつもお母さんと一緒です。

私は不定期でレッスンに行っていますが、ほぼ毎回前後になるので、生徒さんとお母さんとは挨拶をする仲。

発表会前には「一緒にがんばろうね!」と話をしていました。

そして1月のレッスンの日、

年末の発表会以降に初めて顔を合わせて、その生徒さんのお母さんから、

「発表会の演奏、とても良かったです。感動して涙が出ました」

というありがたすぎるお言葉をいただいてしまいました……。

それを聞いて、感激でこちらが涙ぐんでしまいました。

私にとって、まだまだ課題は残るけれど、とにかく一生懸命練習を重ねて、一生懸命挑んだ憧れの『英雄ポロネーズ』でした。

ピアノは趣味で、ただ自分が好きだから練習をしているわけですが、

こんな言葉をもらうと、心から嬉しいし、本当に励みになります。

大人になって長くなると、褒められるということはもうほとんどありません。

だからこそ、そうやって直接伝えてくれることが本当に本当に嬉しい。おそらく一生忘れない感動でした。

2023年も、さらに真摯に、コツコツと、ピアノをがんばっていこうと思えた出来事でした。

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